【クリニック開業の基礎知識】開業を決めたらやるべきことやスケジュールを解説

公開日:2024/08/15
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質の高い医療を提供するためクリニックを開業したいと思っても、開業までにはやるべきことがたくさんあります。そのため、何から手を付ければよいか迷ってしまうのではないでしょうか。そこで今回は、クリニックを開業するための準備について前準備から必要な設備と許認可手続き、開業後の運営などについて解説します。

開業の前段階・計画と調査

開業前の準備で最も大切なのは、クリニックのコンセプトを決めることです。これから開業するクリニックの設立目的や、どのようなことができるのかについて基本的な考え方を整理しなければなりません。コンセプトを決めることで、3つのメリットが得られます。

経営方針が固まる

1つ目は、経営方針・意思決定の基本が固まることです。プライマリケアを重視した経営になるのか、地域の専門医として特化した症状の診療にあたるのかといったクリニックの基本的な方向性を定めることができるでしょう。

スタッフ同士の共通認識をつくりやすい

2つ目は、クリニックのスタッフの共通認識を作りやすいことです。コンセプトを明確にすることで、自分が勤務するクリニックがどのような方針で運営されていて、その一員として自分が何をするべきなのかといったことをスタッフ全員で共有しやすくなるでしょう。

また、コンセプトはスタッフを採用する際の判断基準としても機能します。

経営判断のベースになる

3つ目は、経営判断に迷いが生じたときに考えるベースになることです。クリニックの現状を改革しなければらない事態が生じた際、改革の方向性を決めるベースとなるのがクリニックのコンセプトとなるからです。

コンセプトはクリニック経営において重要

以上のように、コンセプトはクリニック経営の基本となる重要なものであることがわかります。コンセプトが決まったら、開業までのスケジュールを策定します。

開業地の選定や事業計画の策定、資金調達、コンセプトに基づいた内装や医療機器の導入、求人、宣伝広告、会計処理の体制づくり、行政手続きなどやるべきことが山積みです。いずれの準備を行う際も、事前の調査が必要不可欠です。

必要な設備と許認可手続き

事業計画を策定し、開業地を選定したら本格的な開業準備に入ります。もしかしたら、コンセプトにもとづいて開業地を決めて物件を確保した段階で、当初予算をオーバーしているかもしれません。そんなときは、すぐに資金調達する必要があります。

資金が用意できたら今度は内装や医療機器など必要な設備を整えましょう。開業場所の賃貸契約が終了したら、すぐに内装工事に取り掛かります。コンセプトに基づき、対象となる患者層を意識してレイアウトを決定します。

複数の業者に設計案を出してもらうコンペ形式を採用することで、コストを抑えられるかもしれません。内装業者を決定する際は、その業者が実際に施工したクリニックを見学し、実物を見たほうが無難です。

内装業者によっては、着工時の手付金や工事の途中での「中途金」を請求することがあるため、支払方法についてしっかりと打ち合わせしておきましょう。なお、内装工事の発注は開業4か月前までに済ませておきましょう。

内装工事が終わったら、診察で使用する医療機器を選定します。医療機器の種類は診察する専門科目によって異なりますが、共通して必要なのが電子カルテです。それ以外にも多数の危機が必要となりますが、いずれも高額であるためリース契約が基本となります。

場合によってはリースよりも購入の方が安くなることがあるため、使用年数や金額などを考慮してどちらにするか決定しましょう。内装や医療機器の手配と同時並行で行うのが行政機関で許認可手続きを進めることです。

保健所には「診療所開設届」、厚生局(厚生労働省の地方支局)には「保険医療機関指定申請」を提出しなければなりません。そのほかにも、詳細なルールがあるため、可能であればテナント契約前、あるいは内装の発注をする直前に保健所で相談したほうがよいでしょう。

開業後の運営と成長戦略

クリニックの運営を成功させ、軌道に乗せるためには成長戦略を明確にしておく必要があります。クリニックに限らず、どの事業でも開業してからの数ヶ月はとても重要です。なぜなら、開業直後はもっとも多くの人が興味関心を持ってくれるからです。

目新しさの効果はせいぜい数ヶ月で無くなってしまうため、その期間に患者を集める「集患」を進めなければなりません。宣伝・広告を行うのはもちろんですが、内覧会を実施するのも患者を集める方法の一つです。

内覧会とは、正式オープン前、またはオープン直後に地域住民を対象として行うイベントで、クリニックの存在や設備、スタッフを知ってもらうために開催します。内覧会に足を運んでもらうことで、クリニックの認知度を高められるため集患を進めやすくなるでしょう。

また、開業したクリニックの経営を軌道に乗せるため、事前に成長戦略を描いておくことも重要です。コンセプトや周辺の他のクリニックにない強みを生かして差別化を図りましょう。また、当初のコンセプトが患者のニーズに合っていない場合は、早めにコンセプトを修正します。

まとめ

今回は、クリニック開業の基礎知識と題して、開業を決めた後にやるべきことやスケジュールや開業後の運営などについて解説してきました。クリニックの経営を軌道に乗せるため、徹底した事前準備が必要であると同時に、開業後も患者を集めるための努力をしなければなりません。クリニックを開業したからといって、自動的に患者が集まるわけではないため、自院の強みを生かした成長戦略を実行に移す必要があるのです。

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