いざというときに医療従事者に助けを求めるオンコールは、在宅医療にとって非常に重要です。しかし、オンコールの体制を維持することは、医療機関にとって大きな負担となっています。そうした負担を軽減できるのがオンコール代行サービスです。今回は、オンコール代行サービスの料金相場やサービスの探し方を解説します。
料金の基本構成
オンコール代行サービスは、休日夜間でもオンコールに対応してもらえるため医療機関の負担を軽減するのに効果的な仕組みです。具体的には、当直医師やスタッフの人材不足解消やスタッフの負担軽減による離職率低下といった効果が期待できます。
オンコール代行サービスの料金は、従量課金型プランと通話無制限プランに分けられます。
従量課金型プラン
従量課金型プランは、利用したコール数に応じて料金が発生します。料金構成は利用数に関わらず必要な基本料金と、1コールあたりの利用料金の合算で算出されます。
たとえば、基本料金5万円、1コール当たり3千円のプランで契約していた場合、1か月のコール数が15件であれば5万円+15×3千円となり合計9万5千円となります。
通話無制限プラン
一方、通話無制限の定額制プランである場合、コール数に関わらず料金が一定です。多くの場合、人数によって段階的に料金が設定されています。50名以下は20万円、100名以下は35万円などのように設定されます。
利用者の数に応じて選択しよう
人数設定はオンコール代行サービス業者によってことなるため、医療機関・施設の人数に応じて選択するとよいでしょう。過去にコール数が少なかった場合は従量課金型の方がコストを抑えられます。
その反対に、コール数が多い施設がオンコール代行を利用する場合は、通話無制限の定額制にした方が余計なコストを抑えられるため便利です。これまでのオンコールの実績に基づき、従量課金型か通話無制限型か選ぶとよいでしょう。
追加料金の可能性や変動する要因とは
ここでは、オンコール代行で追加料金が発生してしまう理由やサービスごとで価格が変動する理由について解説します。
追加料金が発生する場合の多くは従量課金型
オンコール代行で追加料金が発生してしまう原因は、従量課金制型を選択して想定よりも多くのコールが発生したからです。従量課金制の場合は、コール数に比例して料金が変動してしまうため、想定よりもコール数が多くなると想定よりも出費が増えてしまうのです。
料金の差が生じる理由
サービスによって料金の差が生じる理由は、サービスの内容や難易度が異なるからだと考えられます。診療科目が多さや、診療や往診に応じる範囲の広さなどによって料金が大きく変動します。たとえば、往診ひとつとっても診察のみで終わるものから感染症の検査まで実施するものまで幅があります。
提供するサービスの違いによって料金に違いがあるのは当然のことです。
代行業者に所属する医師や看護師の経験・実績などによっても料金が異なります。経験の浅い医療従事者が多い業者に比べれば、ベテランの医療従事者で実績を積み上げている人が多く所属している業者の方が高い料金になっても不思議はありません。
オペレーターの質も費用に影響する
スタッフの能力という点に着目すれば、直接患者に対応するオペレーターの質も費用の違いに含まれます。患者の訴えをよく聞き、対応する医療従事者に適切に引き継ぐには、相応の能力が必要となるからです。
このように、サービスや人材の質が料金に大きな影響を与えることが予想できます。高い質の医療を求めるのであれば、相応のコスト負担が必要といってよいでしょう。
オンコール代行サービスの探し方のポイント
オンコール代行サービスを探す際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
どのようなサービスが必要か
最初に考えるべきポイントは、施設でどのようなサービスを必要としているかです。医療機関のサポートとして利用を考えているのか、介護施設での活用を想定しているのか、個人宅への訪問をメインと考えているのかで選択すべきサービスが異なります。
業者によっては、在宅医療特化型であったり、介護施設特化型であったりといった特徴があります。救急医療や一般診察まで対応してくれる業者もいることでしょう。施設がどういったサービスを求めているか、しっかりと整理しておきましょう。
利用料金をどうするか
次に検討するべきは、利用料金です。先ほど紹介したように、主な料金体系として従量課金型と通話無制限の固定型の2種類のパターンがあります。これまでの実績を踏まえ、どちらの方がコストダウンできるかよく考えて選択しましょう。
対応エリアもしっかり確認
それと同時に、施設がある場所が対応エリアに含まれているかも調べる必要があります。業者の公式サイトには、現在の対応エリアと今後拡大が予定されているエリアが記載されていることがあるため、チェックするべきです。
対応時間についても確認が必要です。代行業務を依頼したい時間帯に対応してくれる業者かどうか調べましょう。
まとめ
今回はオンコール代行サービスの利用料金の相場や料金が変動する要因、選択する際のポイントなどについて解説しました。対応時間内のコール数が少ないようであれば従量課金型、対応数が多い場合は料金が高くなっても定額型を選ぶのが無難です。
施設だけで全ての対応を抱え込むとスタッフが疲弊してしまうかもしれません。スタッフの疲労や離職を防ぐため、積極的にオンコール代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。