【オンコールの基礎知識】代休・有給休暇は与えたほうがいい?

公開日:2025/11/15 最終更新日:2026/02/05
有給休暇

オンコール時間における代休や手当の扱いについては判断に迷う方も多いですが、一般的には自宅などでの待機時間は労働時間に該当しないとされています。しかし、何か手当てが必要なのではないかと考える方もいることでしょう。そこで本記事では、オンコール時間の取り扱いについて詳しく解説します。

オンコール時間に対する代休・有休休暇は原則必要ない

オンコール勤務における代休や有給休暇の取り扱いについては、医療機関や訪問看護ステーションなどで悩まれやすいテーマですが、法的な考え方を正しく理解することが重要です。

オンコールは労働基準法上原則として労働時間とは認められていない

まず前提として、オンコール(自宅待機・宅直)は、労働基準法上、原則として労働時間とは認められていません。自宅などで待機している時間は、業務に即時従事している状態とは言えないため、賃金の支払いや代休の付与を義務付ける明確な法的規定は存在しないとされています。そのため、休日にオンコール体制を取っていたとしても、呼び出しがなく実際の勤務が発生していない場合には、代休を与える必要はありません。

オンコール中に呼び出されて業務に従事した場合は労働時間として扱われる

一方で、オンコール中に実際に呼び出されて業務に従事した場合、その対応時間については労働時間として扱われます。夜間や休日の呼び出しであれば、時間外労働や休日労働となり、割増賃金の支払いが必要です。そのうえで、オンコール明けの翌日勤務を代休とするかどうかについては、法律で一律に定められているわけではなく、病院や事業所の裁量に委ねられています。

代休を付与する場合には、場当たり的な対応ではなく、制度として整備し、就業規則などに明記しておくことが望ましいです。また、代休を設けない場合であっても、職員の負担を考慮し、出勤時刻を遅らせるなど一定の配慮を行うことが現実的な対応と言えるでしょう。

オンコールの扱いに関する注意点

ただし、オンコールの扱いには注意点もあります。過去の判例では、拘束性が非常に強いオンコールについては、実質的に労働時間と判断され得るとされ、大学病院に対して労働基準監督署が指導を行ったケースも存在します。

例えば、短時間での応答や出動が常に求められ、私的な行動が著しく制限されている場合などは、労働時間性が問題となるかもしれません。また、病院や施設の敷地内で待機する場合は「待機時間」として明確に労働時間に該当するため、自宅待機とは異なる扱いです。

有給休暇の取り扱いについて

さらに重要なのが、有給休暇の取り扱いです。オンコール明けを事業所の判断で有給休暇として処理することは認められていません。有給休暇は労働基準法第39条に基づき、労働者本人の意思によって取得されるものであり、事業所側が一方的に指定・処理することはできないためです。特に、オンコール中に呼び出しがなく、実際には勤務していない日については、労働時間とみなすことができない以上、有給休暇を充てる合理的な理由もありません。

規定がないからこそ従業員に配慮するのも一案

オンコール勤務には労働基準法上の明確な規定がないため、制度としての義務がない一方で、事業所側には従業員への十分な配慮が求められます。オンコール待機中は自宅待機が可能で、待機時間中に何をしてもよいとされるなど、一見すると拘束性は低いように見えます。

しかし、実際にはいつ呼び出されるかわからない状況に置かれるため、外出を控えたり、十分に休息が取れなかったりと、心理的・生活上の制約が生じやすいのが実情です。そのため「自由時間」と言い切ることは難しい側面があります。

オンコール手当の支給も一案

オンコール待機時間は原則として労働時間に該当しないため、代休や賃金支払いは法的義務ではありませんが、こうした負担を考慮すると、オンコール手当を支給することは妥当な対応だと言えるでしょう。一般的なオンコール手当の相場は1,000円から5,000円程度とされていますが、負担の大きさに対して手当額が見合わないと、従業員の不満やモチベーション低下につながる恐れがあります。そのため、実態に即した金額設定を行うことが重要です。

オンコール勤務の負担軽減も必要

また、オンコール勤務はスタッフの心身に少なからず影響を与えるため、たとえ代休を付与しない場合であっても、何らかの形で配慮を行うことが望まれます。例えば、オンコール明けの勤務開始時間を遅らせる、オンコール回数を平準化するなど、負担を軽減する工夫が求められるでしょう

オンコール代行の活用も選択肢

さらに、オンコールによる拘束や勤務時間そのものを減らす方法として、オンコール代行サービスを活用するという選択肢もあります。オンコール体制の見直しを通じて、従業員の働きやすさと業務の安定運営を両立させることが、今後ますます重要になると言えます。

まとめ

オンコール勤務は、原則として労働時間に該当しないため、代休や有給休暇の付与は法的義務ではありません。しかし実際には、いつ呼び出されるかわからない緊張感や生活上の制約があり、スタッフにとって少なからず負担となるのが現実です。特に、呼び出しが発生した場合には労働時間として扱われ、割増賃金の支払いが必要になるなど、状況に応じた適切な対応が求められます。また、拘束性が強いオンコールや施設内待機の場合には、労働時間と判断される可能性もあり、慎重な運用が欠かせません。だからこそ、法的な最低限にとどまらず、オンコール手当の支給や勤務開始時間の調整、回数の平準化など、現場に即した配慮が重要になります。

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引用元:https://oncall-japan.com/

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